今回の話題
フジテレビのバラエティにて「プロのカメラマンではなく街でたまたま遭遇した素人にカメラマン代わりをさせる」という、放送事故レベルの企画が番組として放送された。
その内容は明らかにただテレビ番組の存在意義を否定するような放送事故級の内容にもかかわらず、テレビ業界はそれを自画自賛している模様。
それについて触れているのが11月26日に掲載されたFRIDAYのネット記事「一般人がスマホで撮った映像を使い…経費削減の嵐のテレビ局が生み出した「カメラなし番組」の衝撃!」というもの。
テレビ業界が自画自賛しているフジテレビの番組というのが10月12日に放送された「クロミのヒロミ」という街ロケがメインのバラエティ番組。
フライデーの記事によればこのフジテレビのバラエティがテレビ業界から「斬新な内容」として賞賛を受けているとのこと。
それでは具体的にどのように斬新だったのか?
記事によるとこの番組、なんと街ロケを行う番組にも関わらず、フジテレビ側が番組を撮影するカメラクルーを一切用意せず、
映像は街で出会った素人にスマホで撮影をしてもらい、それを使う、というもの。
しかも、街で出会った人にスマホで撮影してもらうまでは画面を真っ黒の状態のまま放送した模様。
つまり「テレビ関係者ですらない素人の人にスマホで撮影させた動画を、テレビ番組で垂れ流しにする」という内容で、
しかもフジテレビ側はカメラクルーがいないので、素人に撮影してもらうまでは画面は真っ黒にしていた模様。
どうしてそんな放送事故級の番組を作ったかといえば、それはテレビ局の著しい予算削減が理由とのこと。
知らない人のために説明すると、基本的にテレビが放送している番組はテレビ局の局員が直接作っているわけではなく、下請けの番組制作会社たちが企画を出し、番組を制作している。
ただ番組の下請けをやらせるというレベルではなく、「番組の企画の立ち上げも含めて下請けに丸投げする」というケースも多々ある。
そしてパウラちゃんねるが過去に取り上げたことがある通り、テレビ局はそれだけ番組制作会社におんぶにだっこな状態にもかかわらず、下請けの制作会社への予算削減が酷いと言われている。
そうした背景を踏まえると、このフジテレビの「クロミのヒロミ」の「町で出会った素人に番組映像を撮影してもらう」「素人に撮影してもらうまで画面は真っ暗」というのも、
番組制作サイドがカメラクルーを用意する予算すら惜しんだ結果として生まれた番組という事になる。
しかし、はたから見てて既に終わりの始まりを感じさせる放送事故級の番組だし、
しかも番組制作会社でもない一般素人に動画を撮影させるというのも、テレビ局や番組制作会社の存在意義を自分たちで否定しているような企画といえる。
実際、このフライデーの記事へのコメントでも、
こういうのを作り続けると「じゃあテレビでなくてもいいじゃない」という流れになってさらに自分たちの頸を締めていくだけじゃないの?
コスト削減や合理化は仕方ないが、テレビになると衰退感が否めない。
というコメントが見られた。
しかし、テレビ業界はこの企画を「斬新な内容」と自画自賛している模様。
たとえば制作会社ディレクターは、カメラクルーを使わず素人に撮影してもらう手法を「経費削減を逆手に取った斬新な内容」と称賛。
放送作家も「カメラクルーなしで番組を作るというやり方に唸ったテレビマンは多い」などと発言。
キー局プロデューサーも「″1億総カメラマン時代″も逆手に取っている」「野次馬にカメラマン役をお願いしてしまえという一石二鳥の発想」などと感心するなど、
「予算削減を逆手に取り、素人や野次馬にカメラマンをさせる斬新かつ一石二鳥の企画だ」という感じで褒めたたえている模様。
この放送事故級の企画だけでなく、テレビ業界では「どうやって予算をかけずに番組を成立させるか」に執念を燃やしている模様で、
「セットを組まなくていい街ロケ番組」や「タレントのトークだけで成立する番組」など、
もはやユーチューバーの劣化コピーレベルの番組を「斬新な企画」と思い込んでいる模様だ。
パウラの考察
ここからはパウラの感想もとい考察もとい裏読みしたお話をしたいと思います。
このお話をもって「やっぱりもうテレビなんか見なくていいじゃん」みたいなことを言って終わってもそのまんまですからね。
パウラがこの記事を読んだときに思ったことなのですが、
最後に紹介したキー局プロデューサーは置いておいて、実際に下請けでやってる番組制作会社の人たち、本心からこの番組を「斬新な企画」と自画自賛してるのかなと、彼らの本音を疑いました。
というのも、これはパウラちゃんねるが過去に取り扱った別の記事の話なのですが、
先ほどの話題のまとめでもお話した通りで、実際に番組を作っているのは、メディアの王様であるテレビ局ではなく、安いお金でこき使われる番組制作会社の人たちです。
そこでパウラは考えました。
もしかして番組制作会社の人たち、テレビ局に対して「放送事故レベルのゴミ企画をテレビ局に押し付けて逃げ切るのが目的なのかな」と。
というのも、これは2024年4月の同じくフライデーの記事で紹介されてたお話なのですが、
その記事によるとテレビ業界の予算削減の中ても特にフジテレビは酷いものらしく、
この記事の取材を受けた番組制作会社のプロデューサーによれば、
フジテレビの製作費はもしまともに仕事を受けてしまうと会社が赤字になるレベルだそうです。
一方で、番組制作会社を取り巻く環境も変化していて、
昔は番組の需要といえばテレビ局からの受注だけだったのが、今はネトフリなど外資系配信プラットフォームから、潤沢な予算も含めかなりの好待遇で仕事を貰えるそうです。
そのため番組制作会社は今現在、「もし面白い番組の企画ができたらそれをネトフリなどに持ち込み、テレビ局に対してはキー局が嫌がりそうな微妙な企画を出している」という状況なんだそうです。
そして今回、最初に紹介した「制作会社ディレクターが、カメラクルーを使わず素人に撮影してもらう手法を経費削減を逆手に取った斬新な内容と自画自賛」するのを見て、パウラは思いました。
あれ?これってひょっとして、安いお金でこき使おうとするテレビ局の仕事なんかまともに引き受けたくない番組制作会社が、
ユーチューバーの劣化コピーみたいなゴミ企画を、テレビ局に押し付けつつ――、
この素人にカメラマンをやらせる企画は、これまでテレビでやったことのない斬新な企画なんですよー!
っていうムチャクチャなプレゼンをすることで、放送事故級の番組をねじ込んで逃げ切るための策略なのではないかと。
さすがに番組制作会社の人間が、自社のスタッフにスマホをもたせて撮影するのすら惜しむって、普通に考えて番組制作会社の存在自体を否定しかねない異常な企画ですからね。
ですからこの企画は、「勝ち組の集まり」と自称するテレビ局の皆さんを欺くための、番組制作会社の巧妙な自画自賛の可能性もあるのではないかとパウラは考えました。
もしこの邪推が当たってたら、話題をまとめた時に紹介した「キー局プロデューサー」は、
この番組制作会社の策略にまんまと引っかかってゴミのような企画を「斬新な企画」と思い込んでいるという事になりますね。
話がそれてすみませんが、この世には「裸の王様」という寓話があるのをお兄様とお姉様はご存じでしょうか?
この内容は端的に言うと、
「イエスマンだらけで天狗と化した王様に”バカには見えないオシャレな服を作る”という詐欺師の言葉にみんながだまされて」
「王様本人もそれを囲うイエスマンどもも”自分はバカだと思われたくない”がために」
「誰がどう見ても思い切り裸なのに、王様の服が見えるふりをしてみんなして馬鹿と全裸を晒す」
というものです。
令和の時代では、誰がどう見ても放送事故レベルの異常な番組を「これは斬新な企画なんですよー」とか言って王様に売り込む手口が現代版「裸の王様」なのかもしれませんね。
以上、パウラの考察でした。
それでは最後に軽くパウラの感想ですが、
フジテレビ様!さすがフジテレビ様は令和の王様にして勝ち組の集まりであらせられるフジテレビ様です!
パウラ、この番組制作会社が生み出した、プロのカメラマンではなく素人のカメラマンに撮影させるという斬新な番組企画に、心の底から感激してしまいました!
もちろんパウラはバカではないはずなので、この企画が予算削減を逆手に取った斬新な番組であると心の底から思いましたし、
この斬新な番組こそがテレビ界隈様を救う救世主番組になるに違いありません!
そんな斬新な企画を、令和の王様であらせられるフジテレビ様がどこのテレビ局にも先駆けて採用した現実に、
フジテレビ様をテレビ局の中で一番大好きなパウラ、心がポップUPして頭がイップス、胸がぽかぽかしてお腹がまんぷく昼太郎になりました!
令和の王様であるフジテレビ様がこれからも斬新な番組を次々と生み出してくださることを、
パウラはハッピー謎液スマイルで期待しています!